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2006年12月19日 (火)

ヒロイン七変化①-七変化は女戦士のたしなみ

20_1 謎なぞ七色レディ
「七変化は女戦士のたしなみよ!」-これは「百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊 」でのメガピンク・今村みくの有名な台詞だが…調べてみると歴代の戦隊ヒロイン全員が七変化話を演じているわけではない(実際この台詞を言ってる みく自身、七変化してないんですよね…)。
しかし「戦隊ヒロイン恒例の七変化話」などと、語られてしまうのは、やはり電子戦隊デンジマン VOL.5 #43における桃井あきらの変幻自在の大活躍が強烈すぎたのかもしれない。桃井あきらは#43で、青のワンピース→カンフー→インディアン娘→チャイナドレス(写真②)→ライダー→水兵→女剣士→修道女→マドロス(船乗り)→マリリンモンロー→バニーガール(写真①)→ガンマン→ベルばら風騎士と13変化!冒頭とEDでみせる変身(赤いワンピース、野球選手、アラビア風、カルメン)や通常の冬服も加えると、なんと18変化!!している。この“記録”は戦隊史上最多を誇り…おそらく今後も抜かれることはないだろう。#43の他にもあきらは#08でガンマン(ミニスカ)と時代劇の衣装になっている。

13_1 これまでの作品にもヒロイン主役の物語はあった。しかし桃井あきらの主役回は10回を数え、「制作スタッフも当初からこの桃井あきらというキャラクターに従来にない位置付けを行おうとしていた様である」という指摘はおそらく間違いない。そして#43エピソードによって、戦う女性隊員としての役割に、アイドル的な意味付けがプラスされたことも画期的なことといえる。それは男中心の戦隊で単なる紅一点の存在に過ぎなかった戦隊ヒロインが活路を見出していく方向性を指し示す作品だったのかもしれない。新たな戦隊ヒロイン像が展開していったその起点として#43と桃井あきらは記憶されてよいだろう。
それにしても#43の七変化は、もはや「変装」の次元を超えた“桃井あきらファッションショー”となっている。それも前後や周囲との脈絡のほとんどない衣装の連続であり、いわゆるコスプレショー。衣装の選択についてはメチャクチャ、やり過ぎの感も否めないが、その徹底さが伝説となる由縁である。この辺の詳しい事情はわからないが、東映における「七変化の伝統」プラス「実写版キューティハニー」を狙ったというのが真相に近いのではないだろうか?変身の合間に空中を回転しながら衣装を替える様はハニーフラッシュ!を彷彿とさせる。「大全」のインタビュー記事によれば、#43の衣装は東映の衣装部にあったものとのこと。

戦隊ヒロイン七変化話
次に歴代の戦隊ヒロインの七変化話をまとめてご紹介しよう(結構見落としがあると思うのでご容赦ください。他にもご存じの方は是非教えてください)。手っ取り早く歴代の七変化話をダイジェストに見たい方は上記の「ガオレンVSスーパー戦隊」か「スーパーヒロイン図鑑1 戦隊シリーズ+ライバル篇 」「スーパーヒロイン図鑑3 戦隊シリーズ篇2+メタル&アイドル篇 」を参照のこと。

Photo_4 ペギー松山(秘密戦隊ゴレンジャー Vol.10 #57:黒い包囲網!五つの顔のペギー/1976)
調べてみると、戦隊ヒロイン七変化の元祖はモモレンジャー・ペギー松山(小牧りさ)だった。七色レディの影にすっかり隠れてしまい目立たなくなってしまったが、#57でウエディングドレスの花嫁→纏持ち(町火消し)→テニス選手→金髪の外人→ウェットスーツ(潜水夫)と五変化を演じている。潜入した町で次々と変装しながら秘密基地を暴くというストーリーだが、正直怪しい変装でかえって目立ってる感じもする。まあこのお遊び感が東映七変化ものの良き伝統ともいえる…

桃園ミキ(大戦隊ゴーグル5 VOL.3 #22:呪い人形の攻撃!, #09:地獄のキノコ村, #20:死の花毒サボテン/1982)
デンジピンクと共にヒロインブームを不動のものにしたといわれるゴーグルピンク・桃園ミキ(大川めぐみ)だが、#22で日本人形→ピエロ→フランス人形→王子様(写真③)と四変化。あきらの七変化と比べると少々見劣りするが、ミキはこの他の回でも#09で村娘の踊子や婦警、#20のフラメンコダンサーなど頻繁にコスプレを演じている。また回数だけでなくミキの美しさを引き立たさせるような変化が見物!

この後、しばらくは七変化話はなく、単発的な変装ものが続く。ダイナピンク・レイは#13[さらわれた花嫁/1983]で花嫁姿、#17[恐怖!九州大地震]でガンマン、バイオマン#46[脱出わなの町/1984]では、ひかるが婦警、ジュンがガンマン姿となっている。

B_1 アニー(宇宙刑事シャイダー Vol.3 #29:百面相だよ 女刑事/1984)
戦隊ヒロインではないが、#29でアニー(森永奈緒美)も七変化を演じている。お婆さんの姿でフーマの店に潜入し、捕らえられた後、変化しながら逃走するというもの。お婆さん→店員→マネキン→藤娘→花嫁→レオタードと六変化。内容的にはちょっと地味かな~?アニーは#19[アニー危機一髪]ではガンマンになって単身敵基地へ乗り込む。まあアニーの場合、普段着が既にウエスタン風なのだが… ロケ地はららぽーと志木(05/3閉鎖)。

翼麻衣(チェンジマン#44:麻衣におまかせ/1985)
さやかと服を交換したフェニックス・麻衣(大石麻衣)が西部劇風の町に閉じこめられ、七変化で正体を隠しながらギルークに接近しようというストーリー。さやかルック→ウエディングドレス→フラメンコダンサー→インディアン娘→修道女→ガンマン(写真④)と六変化。最後のガンマンが一番似合ってたような… 戦隊久々の気合いの入った七変化話。どうせならさやかと二人でダブル七変化をやって欲しかったというのは欲張りだろうか。ロケ地は日光鬼怒川ウエスタン村。

Photo_5 森川はるな(ターボレンジャー#13:魔女をワナにかけろ!/1989)
ピンクターボ・はるな(木之原賀子)が囮捜査で巫女さんと花嫁姿に変化している。80年代後半は戦隊シリーズの過渡期ともいわれており、いろいろと模索が続けられていた時期。“恒例の七変化話”も途絶えてしまった感がある。

メイ(ジュウレンジャー#38:メイ姫七変化!!, #26:カキ氷にご用心/1992)
ラミィとドーラシルキス(幼虫)によって4人は繭の中に捕らわれ、メイ(千葉麗子)は変身できなくなる。メイはピエロ→チャイナ服→セーラー服→仮面の騎士→修道女→花嫁(写真⑤)と六変化。ラミィとの変装合戦も楽しめる#38はお勧めの一本である。かわって#26はトットパットの垂らした毒入りカキ氷を食べたメイとダンは正確が豹変… ツッパリ→賭場荒らし→ギャングと悪の三変化。ジュウレンジャーはいくつかの新機軸が導入された意欲作だが、ヒロインにアイドルを本格的に登用、フューチャーし始めた作品でもある。メイは衣装だけでなく髪型も17回変わっているのでご注目を。ちなみにロケ地は光が丘パークタウン(光のアーチ)。

ダイレンジャーのリン、カクレンジャーの鶴姫も七変化ぽい回(ダイレン#33,カクレン#35)もあるものの、いわゆる“七変化話”でなく残念。この後、アバレンのらんるまでは変則的な七変化話が断続的に続いていくことになる。

Photo_6 マツリ(救急戦隊ゴーゴーファイブ Vol.7 #33:ウブな災魔の戦士/1999)
凶暴サイマ獣・タナトスの弱点に目をつけたショウに呼ばれたマツリ(現・柴田かよこ)は…コギャル→チャイナドレス(丈が短い)→チアガール→レースクィーン(写真⑥)と四変化する。悩殺されたタナトスは頭がボン!時代的なものだろうか、七変化も何となく垢抜けてきたカンジぃ~がする。特にレースクィーンのコスは80年代前半にはなかったもの。メイ姫の七変化と比べるとお色気を意識した衣装選びとなっている(お父さん対策?)。

ユウリ(未来戦隊タイムレンジャー(3) #22:桃色の誘惑/2000)
ユウリ(勝村美香)のダメ主婦ぶり全開の#22。キョウコを見返すため女の魅力挽回をはかるが… エプロン姿→パジャマ→レオタード(トレーニング)→エステ通い→ボディコン(もちろん超ミニ)→白いつば広帽子に白ワンピースと六変化。でもこれって本来の七変化話ではないなぁ~

樹らんる(スーパー戦隊シリーズ 爆竜戦隊アバレンジャー Vol.9 #35:アバレナデシコ七変化たい!/2003)
題名から久々の七変化話と期待されたが、らんる(いとうあいこ)はデパガ(受付嬢)→ミニスカポリス→レオタード(新体操)と三変化、その後普段着のアバレジャケット→タンクトップとなるので、アバレイエローも含めてなんとか六変化?(ちょっと苦しい)

その後は、デカレンジャーのウメコ、ジャスミンの二人が#17[ツインカム・エンジェル/2004]でチャイナドレスを披露、#18[サムライ・ゴーウエスト]では時代劇衣装にも挑戦している。デカレンの変身アイテム使えばもっと七変化できそう! マジレンジャー#05[恋をしようよ~マージ・マジーロ~]も七変化といえば七変化だが、マジピンクの変身するものはピンク色の蜂、ラジカセ、ポスト、扇風機…

Photo_7 Jushi Sentai France Five_episode4(2005)
戦隊ヒロインの七変化話として、「銃士戦隊フランスファイブ」も取り上げておきたい。フランスファイブはフランス人の特撮ファンによって作られた戦隊ものだが、episode4で、ピンク・アラモードことカトリーヌ・マルタンが華麗な七変化を披露している。このフランス製戦隊は日本の戦隊もののオマージュとして制作されており、“戦隊ヒロイン恒例の七変化”もちゃんと入っている。ロボや六人目のメンバーも登場し、映像的にも結構凝っていて侮れない。ストーリーはシリアスだが、戦闘シーンやメンバーの普段の生活はコミカルだったりとなかなか笑える。フランスファイブは無料ダウンロード可能なので是非一度見てみて欲しい。ちなみにカトリーヌはファッションモデル?(鳥の羽を頭につけてる)→カンカン娘→黒のワンピース→コックさん?→カフェのウエイトレス→キャビンアテンダントと六変化する。

オーレンジャー#43[切り札は七変化/1996]も変装話ではあるのだが、いわゆるヒロインが次々と衣装を替えていく七変化ではない。内容的にはバイオマン#46に近い。ちなみにゴレンジャーの#26[青すじ七変化!恐怖の毒薬博士]も七変化話ではない。モモレンジャーの七変化は#57、お間違えないように。

戦隊ヒロイン七変化の傾向として、ガンマン、チャイナドレス、婦警が多い(そういえばボウケンジャー#38の風のシズカのコスプレも…シズカは次回取り上げる予定)。また、近作ほど七変化するシチュエーション(変身ができないなど)にこだわってる感があるが、脈絡のない荒唐無稽さが七変化の醍醐味のような気がする。これまで七変化話は3年おきぐらいで演じられてきたが、最近は毎年のように七変化ネタが登場しているので、来年も期待できるかも? ともかく東映さんにはがんばって七色レディを超える面白い七変化を作っていって欲しい!!
次回コラム「七変化②」につづく…

<参考文献>
スーパーヒロイン図鑑1 戦隊シリーズ+ライバル篇(初刊VHS/1992, DVD/2001)
スーパーヒロイン画報―国産スーパーヒロイン30年のあゆみ
B-CLUB  82号(1992/9 バンダイ)

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