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2004年8月 9日 (月)

八手三郎−原作者の謎

Yatudeb_1「デンジマンの原作者“八手三郎”に今まで会った人はいない。」 なんかトリビアの泉みたいだが、知っている人は知っている話。八手三郎をネットで調べてみると驚くほどいろいろな説(デマ話)が出てくる!

・八手三郎は実在する。
・すでにお亡くなりになっている。
・実は8人いる。
・容貌がタコみたい。
・現在は息子の八手四郎氏が原作を代筆している。
・実は女性だ。
・戦隊ものに毎回チョイ役で出演している。
・東映本社に脳だけになって保管されている(ちょっとコワイ・・・)。

などなど、以上全部ウソです。ご注意を! まあ有名な話なのでコラムに取り上げるのはどうかなと思ったが、“特撮初心者”(かくいう私自身半年前まで知らなかった)のために、FAQ(Frequently Asked Question/よくある質問)としてわかったことをまとめておきたい。 まず、八手三郎は実在する人物名ではない。東映株式会社テレビ事業部の共同ペンネームである。最初は東映の名プロデューサーであった平山亨氏が脚本を書くときのペンネームだったが、次第にテレビ事業部の共同ペンネームとなり、氏の定年後も使われているというのが真相。デンジマンは1980年なので完全に共同ペンネーム時代の作品(バトルフィーバーまでは平山氏の企画)。このような会社やプロダクションの共同ペンネームとしては、他にも「矢立肇(やたてはじめ)」(日本サンライズ)や「葉村彰子(はむらあきこ)」(水戸黄門)がある。著作権を主張する際に、個人名を使った方が有利というのが理由らしい。

次に八手三郎はどう読むのが正しいか、どうも「やつでさぶろう」が正しいようだ。平山氏は京都撮影所時代、時代劇の脚本を書いており、脚本の催促に対して時代劇風に「やって候(今やってますよー)」と言い訳していた。ここから「やってそうろう」→「やってさうろう」→「やつでさぶろう」となって、八手三郎が誕生したといわれている。「はってさぶろう」とルビを打っている昔の雑誌類もあるが、おそらく本当の読みを知らなかったのではないか?(私も“はって”とよんでいた)

Photo_2  平山氏は「悪魔くん」からはじまって「仮面ライダー」、「人造人間キカイダー」、「ロボット刑事」、「がんばれ!!ロボコン」そして戦隊もののルーツ「秘密戦隊ゴレンジャー」まで、東映の子供向け番組で数々のヒットを飛ばしたすごい人。東映の石森章太郎原作番組のほぼすべてを担当しているといってもいい(もちろん他の原作も手がけている/ジャイアントロボ-横山光輝、バロム1-さいとうたかを)。肩書きはプロデューサーだが、八手三郎名義で膨大な量の脚本と歌詞を手がけている。あまりにも偉い人だったので定年後、平山氏が脚本等を書くとき使っていた八手三郎というペンネームが東映テレビ事業部の共同ペンネームになったのだろう。平山氏の東映子供向け番組づくりについては東映ヒーロー名人列伝 (平山亨著, 風塵社, 1999年)に詳しい。興味深いエピソード満載なのでぜひ一読をお勧めしたい。

平山亨氏は、1929年東京都生まれ、1954年東京大学文学部美術史学科卒業後、東映へ入社京都撮影所助監督を経て、1965年本社テレビ部プロデューサーとなり、「仮面ライダー」など変身ヒーローもので数々のヒットを飛ばす。1989年東映退社。現在もフリーのプロデューサーとして、脚本、作詞、雑誌寄稿など現役でご活躍中である。近作は「侵略美少女ミリ」。

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